元野犬を家族に迎えた飼い主の皆さん、こんな悩みを抱えていませんか?
せっかく保護犬を家族に迎えたのに、家の中でつないでおくのはかわいそう…
自宅に慣れてきたけど、係留はいつまで必要なの?
脱走が危険だとわかっていても、“首輪やリードで行動を制限するのはかわいそう”だと感じる方もいるでしょう。
でも実際は、脱走させてしまう方がかわいそうなのです。
衝動的に逃げ出してしまったワンちゃんが、怖い思いをしたり、お腹を空かせたり、ケガをして動けなくなったり……。
想像するだけで胸が苦しくなりませんか?
この記事では、元野犬を室内係留する理由や、簡単にできる脱走対策、お出かけ時の逸走対策や迷子対策まで、筆者が実際に行なっている方法を解説します。
元保護犬2頭と暮らしてきた私の愛用グッズを、写真付きで紹介します!
【元野犬の脱走防止】室内係留のやり方を写真つきで解説!
室内係留は、元野犬の安全を守る有効な方法です。
しかし、室内係留はあまり一般的ではなく、ピンとこないものです…。
ここからは「そもそも室内係留ってなに?」「どうやってやるの?」という方に向けて、筆者が実践している2つの室内係留をお見せします!
係留方法①ダンベル(重石)
ひとつ目は、ダンベルを使った係留です。
私がダンベルを選んだ理由は、専用商品より安く、筋トレにも使えるからです。
ダンベルを2つにすると、女性でも移動しやすいです♪
ダンベルに限らず、犬の体重以上の重さがあれば、他のもので代用できます。
漬物石や、ブロックを使っている人もいるよ!
係留で大切なポイントは、走って逃げられない環境を作ることです。
係留方法②壁や柱につける専用器具
もうひとつは、壁や柱などに専用器具をつける係留です。
このタイプは、ペットと一緒に入店できるお店でも使用されています。
私が選んだのは、中心が360度回転してリードが絡まらないタイプ、大型犬まで対応した商品で、安心感があります。
デメリットは、壁や柱にダメージを与えること!
壁の下地の場所がわかる方、穴が開いても気にならない方にオススメです。
体重以上の重石や柱につなぎ、脱走させない環境をつくろう!
室内係留が必要な理由
室内係留は、言葉が通じないペットと飼い主をつなぐ工夫です。
人との暮らしを知らない元野犬は、脱走する隙を狙っている可能性があります。
そして、1度脱走させてしまうと、自力で帰ってくることはほぼありません。
知らないところに迷い込み、寒くて怖い思いをしたり、お腹を空かせたり、さいあく命を落とすかも……。
言葉が通じないペットにとって、外は危険だらけなのです!
お迎えしてすぐはもちろん、慣れてきたと感じてからも室内係留を続けてくださいね。
1年半以上一緒にいるけど
レインも室内係留しているよ。
【元野犬の逸走対策】お出かけ編
ビビリな元野犬。お出かけ時は、とくに気を使います。
では、具体的に何をすればいいのでしょうか?
誰でもすぐにできるのは、首輪とリードを2つずつつけるだけです。
なぜ2つずつつけるかというと…。主な逸走の原因が、首輪やリードの破損だからです。
首輪やハーネスが抜けたり、突然ナスカンが破損した時に、1つでもつながっていれば逸走を防げます。
リードと首輪は、ペットと飼い主をつなぐ命綱です。
首輪とリードは、1〜2年で新しいものと交換。
金具がはずれないか確認するなど、事前チェックもお忘れなく!
・パニックになった時の対処法
・ダブルリードの重要性
なども紹介している「お出かけ練習法」もチェックしてみてください♪
メリットだらけの【迷子対策】
・鑑札
・注射済票
・迷子札
・マイクロチップ
この4つは、脱走を防止するためのものではなく、どこに住んでいるのか明確にするためのものです。
万が一、脱走や逸走させてしまった時に、これらがあると保健所に行くことなくお家に帰れる可能性が高くなります。
それぞれ解説します!
迷子対策①犬鑑札・注射済票
・犬鑑札と注射済票ってつけなきゃダメ?
・なくしたら困るから家に置いてます。
・マイクロチップ登録しているから大丈夫でしょ。
保護犬を迎えるまでは、私も同意見でした。
しかし、犬鑑札と注射済票をつけるメリットを知ってからは、常に首輪につけています。
そのメリットとは、震災で迷子になった時、飼い主さんと再会できたと言われているからです。
上記データは、東日本大震災で、動物救護施設に保護収容されたペットのうち、首輪などを装着していた子の数です。
そのうち迷子札、犬鑑札、注射済票のいずれかをつけていた子は100%飼い主が判明したと示されています。
参照:東日本大震災におけるペットの被災概況(環境省)
つまり……。犬鑑札と注射済票をつけているだけで、大切な家族と再会できる可能性が高くなるのです。
犬鑑札と注射済票の装着は
飼い主の義務です。
迷子対策②マイクロチップ
- Qマイクロチップが入っていたら犬鑑札は必要ない?
- A
答えはNO!
マイクロチップのみでは危険な理由は、2つあります。
・専用の読み取り機がないかもしれない
・飼い主さんの情報が登録されていないかもしれない
先ほどお示ししたデータにも、「マイクロチップを装着していたもののAIPOへの登録がなく、飼い主が判明しなかった事例あり」と記載されています。
上記の理由からマイクロチップが入っているから安心ではなく、犬鑑札、注射済票、迷子札の装着が重要になります。
迷子対策③迷子札
迷子札の最大のメリットは、誰が見てもどこの子かわかることです。
見つけてくれた人が直接飼い主さんに連絡できるので、保健所に収容される可能性が低くなります。
オシャレなハンドメイド商品もあり、アクセサリー感覚でつけられるのもうれしいポイントです。
GPSのついたAirTagも便利です。
ただし…
水濡れ、バッテリー切れにご注意ください。
【体験談あり】迷子になったら何をすればいい?
保護犬に限らず、迷子になる可能性はゼロではありません。
ここからは、もし迷子になってしまった時に飼い主がすることを解説します。
迷子になったら、以下の順番で進めましょう。
①連絡・確認
②SNSで拡散
③チラシの作成
④チラシ配りと聞き込み
⑤捜索
①関係各所に連絡・確認
環境省 収容動物検索情報サイトには、迷子の犬や猫の情報を掲載している自治体のサイトがまとめられています。
②SNSで拡散・掲示板を活用
個人アカウントの投稿だけでなく、迷子の掲示板等も活用しましょう。
保護できた後の連絡
情報をくれた方への返信をお忘れなく!
③【無料テンプレートあり】チラシ作り
チラシの作成は、無料で使えるCanva(キャンバ)が便利です。
テンプレートを作成しましたので、必要箇所を修正し、印刷、SNS拡散にご利用ください。
▼完全無料・スマートフォン対応▼
印刷は、プリントパックが安くてオススメです。
使い方が分からない方は、X(旧Twitter)DMよりご連絡ください。できるかぎりお手伝いします。
④チラシを配りながら聞き込み
チラシが印刷できたら、聞き込みをしながらチラシを配ります。
・目撃情報のあった場所
・犬の散歩をしている人
・ウォーキングやジョギングをしている人
・自宅近辺の住民
・犬を飼っているお宅
・運送業者
・新聞配達の人
・タクシードライバー
・野良猫の餌やりさん など
また、スーパーやコンビニ、動物病院などに、チラシを貼ってもらうのも有効です。
できるだけ多くの方に声をかけ、人の集まりやすい場所にチラシを貼ることで、目撃情報が集まりやすくなります。
【体験談】元野犬の脱走から保護するまで
脱走してしまった元野犬の保護は、とても難しく、スピード感が重要です。
元野犬レイ君が脱走した経緯と、保護するまでの2ヶ月間の記録を、飼い主さんがnote記事にまとめておられます。
迷子にさせて後悔する前に、ぜひ読んでみてください。
「迷子になった時にすること」もレイ君の飼い主さんに教えてもらいました!
まとめ|元野犬は脱走させないことが重要!命を守れるのは飼い主だけ
元野犬の脱走対策は、言葉が通じないペットと飼い主をつなぐ方法です。
室内係留は、家の中でも愛犬の安全を守る有効な方法で、重石や専用器具を使えば今日から実践できます。
万が一に備え、鑑札や迷子札の装着、外出時には首輪とリードを2本ずつ使うなど、これらの対策はすべて、愛犬の命を守るための重要なステップです。
日々の生活の中で実践できる方法を取り入れ、大切な家族との安心できる暮らし楽しんでくださいね。