涙が止まらないのは、それだけ彼を愛していた証拠だよ。
これは、同じペットロスを経験した知人がかけてくれた言葉です。
涙が止まらず苦しい時は、無理にペットロスを乗り越えようとする必要はありません。
まずは、淋しい・苦しいと感じている自分を受け入れてください。
そして気持ちが落ち着いてきた時に、できそうなことからはじめたらいいのです。
この記事では、愛犬を事故で亡くしペットロスになった筆者が、「草抜き」で心と体が整った実体験をお話しします。
草抜きは、特別な道具を必要とせず、いつでも気が向いた時できます。
外に出られない、散歩が苦痛だと感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
散歩ができなかった3つの理由
インターネットや本、病院でも推奨される「散歩して太陽の光を浴びましょう」というケア方法があります。
しかし、ペットロスの方にとって散歩は、ものすごくハードルが高く「やりたくないこと」のひとつです。
なぜなら散歩は、いつも隣を歩いていた愛犬がいない、会えなくなった現実を突きつけられるからです。
わたしが散歩できなかった理由はこちら。
【散歩できなかった3つの理由】
- 愛犬と散歩した場所を通るのがつらい
- 人に会うのが怖い
- やりたい気持ちが湧いてこない
散歩は一緒にすごした思い出を呼び起こす
散歩は、楽しかった思い出を呼び起こすと同時に、会えなくなった現実を突きつけられます。
それは、愛犬と一緒にすごした風景や匂い、音などを感じると、失った悲しみが蘇るからです。
弾むように歩いた晴れの日、ちょっと駆け足になった雨の日……。
ペットロスになり、毎日歩いた思い出の散歩コースを通るのがツライと感じるのは仕方ないのです。
自分の気持ちにウソをつき続けた結果
多くの人が、たとえ悲しみを抱えていたとしても、誰かに会うと無意識に笑顔を作っているのではないでしょうか。
健康な体であれば気づかないかもしれませんが、心が弱っている時はちょっとしたことに敏感になるものです。
そのため、本当の気持ちを隠し笑顔を作ることは、大きなエネルギーを必要とし、心に負担をかけます。
わたしの場合「心は泣いているのに笑うこと」に疲れ、次第に人に会うのが怖くなりました。
無気力・何をしても楽しくない
大好きだったペットが亡くなり、何もできない無気力な自分を責めて落ち込んでいませんか?
「あの時こうしてあげればよかった」「もっと早く気づけたらよかった」などといった、「できなかった」後悔からペットロスになる方も少なくありません。
心が不安定な時は「やろう」「やってみたい」「楽しい」という気持ちがなくて当たり前です。
眠れない、ご飯がおいしくない、外に出られない、この気持ちはいつまで続くのだろう……。
ペットが亡くなってしばらくは、何もかも嫌になる時期でもあります。
草抜きで体調が回復した理由とは?
散歩はおろか出かけることさえ苦痛だった時、唯一できた「草抜き」。
草抜きは、特別な道具を必要とせず、いつでも誰でも取り入れられます。
また、禅の教えのなかで掃除は「心の塵(迷い・不安・恐れ)を払う」と言われているそうです。
掃除を行うときは掃除をすることのみに集中します。掃くときは掃くことだけ、拭くときは拭くことだけ、目の前にある今この瞬間に没頭する。無心に掃除をしていると心が落ち着き、気持ちがすっきりしてくるのを自覚できます。
渋川内科医院「一掃除二信心」
ここからは、わたしが草抜きで体感したことを、それぞれ紹介します。
- 太陽に当たることで疲れる
- 目に見える達成感
- 無心になる時間ができる
太陽に当たることで疲れる
疲れると聞くと、デメリットに感じるかもしれませんが、よく眠れるというメリットがあります。
そのため、ペットロスになって眠れない、朝早く目が覚めてしまう方に特におすすめです。
草抜きは、散歩と同じ「太陽に当たる」ことができ、早朝であれば「人に会う」不安もありません。
朝の空気は気持ちよく、モヤモヤした気持ちを洗い流してくれます。
誰も起きていない1人の時間を「気持ちいい」と思えるようになると、次第に心が安定してくるのを感じられるはずです。
また、雨の日もできる窓ふき、家庭菜園や植物を育てるのもおすすめです。
1人の時間。
特に早朝の空気が好きすぎて朝活継続中です!
目に見える達成感と気持ちをリフレッシュ
草抜きや窓拭きは、庭や家の周りを整え気持ちをリフレッシュさせます。
そして草がなくなる、窓から見える景色がクリアになるにつれ、自然と頭の中も整理されます。
これは、掃除や整理整頓した後に「スッキリした」と感じるのに近い心境です。
さらに、目に見える結果から達成感も得られます。
はじめは、1分でも2分でも大丈夫です。なぜなら、小さな積み重ねの方が継続もしやすく、頑張りすぎないからです。
その日の体調や気分で進められるのも草抜きのメリットと言えるでしょう。
私は、普段やらないような隅っこを掃除しまくっていました。
無心になれる貴重な時間
草抜きは単純な作業ですが、1歩前の草だけを見て黙々とその作業に集中します。
ペットロスになると、もうペットをお世話できない淋しさ、亡くなる前にやってあげられなかった後悔で頭の中がいっぱいになります。
そんな何をしても不安と後悔が襲ってくるなかで、無心になれる時間はとても貴重です。
目の前に集中し黙々と手を動かす作業は、不安や悩みから一時的に解放され、嫌なことを考えない時間を作ってくれます。
自然と瞑想のような状態になりますよ。
まとめ|できないなら、やらなくて大丈夫
無気力になり何もできなくなったとしても、どうか自分をせめないでください。
わたしは、ペットロスを経験し「できない自分」を受け入れました。
そうすることで、なんでも頑張る優等生を演じる必要がなくなり、生きづらさから解放されました。
目が覚めたら玄関を開けて、外に出て深呼吸するだけでもいい。
朝がダメなら日中、玄関を開けるのも無理なら窓を開けるだけでもいい。
「できない」ことより「できた」ことに目を向け、小さなアクションを積み重ねると、次第に心と体の調子が整ってきます。
あなたがペットを愛したように、悲しみが癒えるまでは、自分を愛してあげてくださいね。