毎年1年分の味噌を仕込んでいるわが家。
いろいろ試した中で一番安心できたのが、酒粕で蓋をする方法でした。
酒粕でしっかり蓋をしてからは、カビに悩まされることがなくなり、ほったらかしでもおいしい味噌が完成します。
この記事では、5年間続けてきたわが家の方法をもとに、酒粕で蓋をする効果ややり方、実際に感じたメリット・デメリットをまとめました。
酒粕で蓋をした手作り味噌はカビない?【1年後の実証レポ】

私は毎年1年分の味噌を仕込んでいますが、酒粕で蓋をしてからはカビが発生したことが一度もありません。

↑こちらが酒粕でしっかり蓋をして、1年熟成させた味噌です。
じっくり見ても、白や黒のカビらしきものは見当たりません。
では、気になる中身はどうでしょうか?

酒粕をはがすと、発酵熟成の副産物である「味噌たまり」がたっぷり。
カビの形跡はまったくなく、香りも色合いも、いい感じに仕上がっています。
カビを防ぐコツは、酒粕でしっかり蓋をすること。
天地返しをする必要もなく、仕込んだらそのまま置いておくだけで大丈夫です。
※酒粕をはがしたあとの味噌は、空気に触れることでカビが出やすくなります。
すぐに食べ切れない場合は、冷蔵庫で保管するか、もう一度酒粕でしっかり蓋をすると安心です。

熟成後の酒粕は、粕汁などに使えます。
手作り味噌に酒粕で蓋をする方法
味噌は、毎日の食卓に欠かせない身近な調味料ですが、「作るのはむずかしそう」「手間がかかりそう」と感じる方も多いのではないでしょうか。
実際は、大豆を戻すのに2日ほどかかるものの、その後は仕込んで寝かせるだけ。
1年ほったらかしで、おいしい手作り味噌が完成します。

本当に簡単!
ぜひチャレンジしてみてください♪
手作り味噌の材料と分量(4人家族1年分)

わが家の基本レシピは、麹をたっぷり使った少し甘めの配合です。
・大豆1.5kg
・米麹3kg
・塩750g
この分量で仕込むと、10リットルサイズのホーロー容器で8分目ほどの仕上がりになります。
目安としては、4人家族が1年間食べても余るくらい。ちょうど次の仕込みまでつなげられる量です。
たっぷり作っておくと、市販品にはない安心感とおいしさを楽しめます。
酒粕で蓋をする作り方と手順
手作り味噌の工程は、次のとおりです。
- Step1大豆を水でもどす
洗った大豆を、3倍の水で15〜18時間ほど浸ける。
- Step2大豆を煮て、つぶす
親指と小指で簡単につぶれるくらいのやわらかさになるまで煮て、つぶす。
- Step3米麹と塩を混ぜる
大豆を煮ている間に、米麹と塩をよく混ぜておく。
- Step4大豆と米麹を合わせる
つぶした大豆と、塩と合わせた米麹をしっかり混ぜる。
- Step5容器に詰めて酒粕で蓋をする
味噌を団子状にして容器に詰め、表面をならす。
その上に酒粕をたっぷりのせて、隙間なく覆う。
酒粕で蓋をするポイント

酒粕で蓋をするやり方はとてもシンプル。ラップなどの代わりに、酒粕をしっかりかぶせるだけです。
気をつけるポイントは、次の3つ。
・すき間を作らない
・味噌が見えないようにする
・酒粕をケチらず、たっぷりのせる

熟成後の酒粕は料理に使えるので、むしろ多めにのせておくのがおすすめです。
味噌作りで酒粕を使うメリット・デメリット
私が手作り味噌に酒粕を活用して感じたメリット・デメリットをまとめました。
メリット① 栄養豊富で身体と環境にやさしい
酒粕はビタミンやアミノ酸をふくむ、栄養豊富な発酵食品。美容や健康にも良いと言われています。
それなのに、酒蔵によっては、無料で配られたり廃棄されてしまうことも…。
あの…酒粕ぅ…………いる?
— ワタナベ@たからやま醸造🍚☀️ (@erk0304) February 19, 2024
ちょっと困るくらい大量にあるから、蔵まで来てくれたらあげるよ。
今あるのはメッチャいいヤツだからお湯に溶いて砂糖入れるだけで激ウマな甘酒になるよ🍵
(⚠️これはアルコール含むよ)
活用レシピも付けちゃうからさ🍽️
酒粕ぅ……………いる? pic.twitter.com/2LIaQW2c6e
もし家庭で味噌作りに酒粕を活用する人が増えたら、廃棄を減らせるかもしれません。
身体にもうれしく、環境にもやさしいのが魅力です。
メリット② 熟成後の酒粕がおいしい
仕込みから1年後、味噌の旨みをたっぷり吸った酒粕は、しっとりやわらか。
適度な塩気も加わり、まるで別物のようなおいしさに変わります。
市販では手に入らない熟成された酒粕は、手作り味噌を仕込んだ人だけの特権。
調味料として料理に使うのはもちろん、おつまみやアレンジ食材としても楽しめます。

でも、メリットだけじゃないんです…。
そんな、酒粕のデメリットもご紹介します。
デメリット① 酒粕が手に入りにくい
酒粕は日本酒造りの副産物なので、手に入る時期が限られています。
12月~3月 新鮮な酒粕がたくさん出回る旬の時期 4月〜5月 まだ在庫があり、酒蔵のセールがあることも 6月~11月 在庫が減り、地域によっては販売なし 引用:Hacco to go!
仕込みのタイミングによっては見つけにくいこともあるので、必要な分をまとめて確保しておくのがおすすめです。
デメリット② 材料費が高くなる
酒粕で蓋をする場合、ラップや重しに比べるとどうしても材料費はかさみます。
コスト面では、「贅沢な方法」と言えるかもしれません。
ただ、カビでせっかくの味噌をダメにしてしまうくらいなら、酒粕でしっかり蓋をしておいた方がずっと安心です。
【Q&A】味噌作り&酒粕に関するよくある質問
- Q酒粕で蓋をすれば本当にカビない?
- A
私は5年以上、毎年この方法で仕込んでいますが、カビたことは一度もありません。
ただし、保存場所の温度や湿度によっては発生することもあるので、その場合は表面だけ取り除いてください。
- Q手作り味噌の置き場所は?
- A
冷暗所がおすすめです。
私は冷暖房の影響が少ない玄関の棚下に置いています。
- Q酒粕はどこで買える?
- A
スーパー、酒屋、酒蔵、ネットショップで手に入ります。
私は地元の酒蔵で購入していて、できたてを詰めてもらえることもあります。
- Q酒粕以外にカビを防ぐ方法はある?
- A
わさびをのせたり、ジップロックで仕込む方法もあるそうです。
私は試したことがありませんが、より気軽にチャレンジしたい方には良いかもしれません。
まとめ|酒粕で蓋をすればカビを防げて、1年間ほったらかしでも大丈夫

酒粕で蓋をして仕込んだ味噌は、1年間ほったらかしでもカビ知らず。
わが家では5年以上この方法を続けていますが、失敗したことはありません。
手作り味噌は「大変そう」と思われがちですが、仕込んでしまえばあとは待つだけ。
酒粕をしっかりのせておけば、天地返しも不要でとてもラクに仕上がります。
さらに、熟成後の酒粕までおいしくいただけるのは、手作りした人だけの特権。
コストは少しかかりますが、安心して仕込めて、最後までおいしく楽しめる方法だと感じています。
自家製の極上味噌を、ぜひ味わってみてください。



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