はじめての方へ、まず読んでほしい記事

【ここから迎えてよかった】保護犬を迎えた5人が語る、信頼できる団体・ボランティアとの出会い

保護犬と暮らす
記事内に広告を含む場合があります。

保護犬を迎えたいと思っても、いざ探してみると、どこの団体が自分に合うのか判断しづらいですよね。

譲渡費用のこととか、迎えたあとにもずっと相談できるのかとか…。

ちゃんと信頼できるところがいいし、「失敗したくない」と思う人も多いはず。

そこで今回、私とつながりのある里親さんに登場してもらい、ボランティアや愛護団体への想いを綴っていただきました。

どのエピソードも、心あたたまる、小さな物語のようです。

信頼できるボランティアを見つけたい方も、保護犬との出会いを知りたい方も、ぜひ、のぞいてみてくださいね。

①ピースワンコ・ジャパン|「触れられない元野犬」でも大丈夫?

触れなかった元野犬を迎えて分かった、安心できる譲渡のかたち

触れなかった元野犬を迎えて分かった、安心できる譲渡のかたち

ワンコ:ハーフダン
里親さん:ハーフダンの里親さん
愛護団体:ピースワンコ・ジャパン

不安から、マタニティブルーならぬ「お迎えブルー」になった

「迎えるのがうれしいはずなのに、不安ばかりがふくらんでいく」。

ハーフダンの里親さんは、お迎えの日が近づくにつれ、胸の中のざわざわが大きくなっていったといいます。

先代犬の体をなでている時に、病気に気づいたことがあったんです。
でもこの子は、触れさせてくれない…。
もし病気があっても、気づいてあげられないかもしれない。
本当に、大丈夫?

そんな気持ちを抱えたまま、ついにお迎えの日を迎えました。

不安だらけの私に、そっと寄り添ってくれた

お迎え当日。ピースワンコ・ジャパン 生駒譲渡センターに着くと、スタッフさんが一緒にハーネスをつける練習をしてくれました。

経験談を交えながら、ハーフダンが怖がらないように、やさしく手を動かす…。

その時間が、ゆっくりと里親さんの緊張をほぐしてくれたのです。

「いつでも、ここに頼っていいんだ」と分かり、肩の力が抜けた

卒業記念日:ピースワンコ・ジャパン 生駒譲渡センターにて

自宅に連れて帰ったあと、スタッフさんからこんなメッセージが届きました。

ハーフダンの様子はどうですか?
譲渡センターは、実家だと思っていつでも頼ってくれていいし、顔を出してね。

やさしい言葉のひとつひとつが、不安だった心をじんわりとほぐしてくれたといいます。

「気にかけてくれる人がいる」

そう思えた瞬間、不思議と肩の力が抜けて、困ったらいつでも相談できる安心感に包まれたそうです。

ハーフダンの里親さんからのメッセージ

少しずついろんな場所にチャレンジしているハーフダン

ピースワンコのスタッフさん全員が、犬を幸せにしたいという目標を持って活動されています。

譲渡準備は、ゲートの設置、ハーネスや首輪の指定など、正直大変でしたが、「脱走させないため」という理由を聞いて、信頼につながりました。

譲渡費用は3万円。去勢やワクチン、薬・検査代などを考えると「むしろ安いくらい」だと思います。

②ちびたまのしっぽ愛護会|自宅訪問って、面接みたいで緊張する?

実際は、「迎える人の想い」を受け止めてくれる時間でした

ワンコ:ラミ
里親さん:ダンデライオン@保護犬広め隊さん
愛護団体:ちびたまのしっぽ愛護会

「何を聞かれるんだろう…。」という緊張からのスタート

これまで3匹の保護犬たちと暮らしてきた、ダンデライオン@保護犬広め隊さん。

保護犬との暮らしをSNSで発信したり、Kindleで本を出すなど、今では頼もしい存在ですが、はじめから自信に満ちていたわけではありません。

自宅訪問って、どんなことを話すんだろう…。
面接みたいに、いろいろ聞かれるのかな?
「譲渡できません」って言われたらどうしよう…。

そんな不安と緊張を抱えていたといいます。

先代犬の話をして、心がふっとほぐれた

左:お空組の先代犬・ボウ|右:お迎えした頃のラミ

でも、実際に来てくれたボランティアさんは、あれこれ聞き出すようなことをしませんでした。

先代犬(ボウ)との思い出やこれまでの生活を、自然な会話の中で話していったのだそう。

ラミが、ボウの生まれ変わりのように感じたこと
私たち家族もボウが大好きで、ボウも家族が大好きだったこと
子どもたちとボウが、まるで友達のように過ごしていたことなど…

たくさんの思い出を話すうちに、だんだん緊張がとけて心があたたまっていったといいます。

元野犬との「はじめての散歩」に戸惑ったとき…

今でも前に進めないことがあるラミ。いつも同じが安心するみたい

自宅訪問の最後に「問題ないと思います」と言っていただき、ラミを家族に迎えました。

「犬を飼ったこともあるし、大丈夫」と思っていたんですが、ラミは元野犬の子。

はじめての散歩で強く抵抗されてしまい、「今まで一緒に暮らしてきた犬たちとは違う」と感じたそうです。

すぐにボランティアさんに相談すると、動画を添えてアドバイスをしてくださいました。

今も、ちびたまのしっぽ愛護会の代表さんやボランティアさんとグループLINEでつながっていて、困ったことや嬉しかったことをいつでも共有できる関係が続いています。

ダンデライオン@保護犬広め隊さんからのメッセージ

ダンデライオン家の歴代ワンコたち

ちびたまのしっぽ愛護会の拠点は山口県ですが、全国にボランティアさんがいます。

空輸での譲渡もあり、現地での受け取りやサポートも含めて対応してくださるので、遠方でも安心してお迎えできます。

実は、ラミのあとに迎えた保護犬(ボーダーコリー)が、わずか1年で急死してしまったのですが、そのとき、団体の代表さんと自宅訪問に来てくれたボランティアさんの連名で、お花を送ってくれました。

「譲渡して終わり」ではなく、「ずっとそばにいてくれる」。

そんな、あたたかいつながりを感じられる団体さんです。

また、ご夫婦でお仕事をしながら活動されているおふたりは、将来的なことまで考えてNPO法人を立ち上げられています。

そういった姿勢にも、深い愛情と責任感を感じています。

③COKA Animal Rescue|脱走対策って、どこまでやるべき?

「この子が安心して暮らせるように」一緒に考えてくれた

ワンコ:コマ
里親さん:ヘニコマさん
愛護団体:COKA Animal Rescue

脱走対策って、本当にみんながやってるの?

左:野犬の子のへニム|右:ダックス系ミックスのコマ

野犬の子・へニム、ダックス系ミックス・コマ。2匹の保護犬を、別々の団体から迎えたへ二コマさん。

その経験から「団体によって、こんなに温度差が違うんだ…」と、おどろいたそうです。

へニムはスムーズに譲渡してもらえたし、きっと大丈夫。

そう思って、COKA Animal Rescueの預かりボランティアに応募したところ、脱走対策のあまさを指摘されました。

ここまでやる必要あるの?
そもそも、本当にみんながちゃんとやってるの?

そんな疑問と不安を抱えながらも、指摘された箇所を直して迎えた預かり初日。

のちに家族となるコマを連れて、COKA Animal Rescueの代表が自宅を訪問してくれました。

脱走対策は、安心して暮らすための工夫だと気づいた

代表は、あらためて家の構造や動線をチェック。

脱走のリスクがある箇所を一つひとつ一緒に確認しながら、

「ここにゲートを追加しましょう」
「このドアを開けるときは、こっちを閉めたほうが安心です」
「こういったアイテムが使いやすいですよ」

などといった、具体的なアドバイスをしてくれたのです。

最初は、「ここまでやる必要あるの?」って思っていたけど、実際は、私の認識があまかっただけ。

脱走対策は、「コマが安心して暮らすための工夫なんだ」って気づいたんです。

「犬猫ファースト」が、言葉じゃなく行動から伝わる

お家に来てすぐのころ、まだ緊張気味のコマ

COKA Animal Rescueの保護犬たちは、施設ではなく、預かりボランティア(フォスター)さんのお家で暮らしています。

たくさん抱っこして、遊んであげたい
愛情をたっぷりかけて、送り出したい

「保護犬だから、仕方ない」ではなく、「一匹一匹、この子だけの時間を大切にしたい」という強い想いが、活動のあらゆる面から伝わってきます。

へ二コマさんは、ボランティアとしても、里親としても、「この団体の犬猫ファーストな姿勢は本物だと確信した」と話してくれました。

へ二コマさんからのメッセージ

パパとママのおひざが大好き♡ずっと乗っていたいの

譲渡条件は、正直きびしいかもしれません。

でもそれはきっと、この子たちが、もう二度と悲しい想いをしないように」という強い覚悟のあらわれなのだと思います。

厳しさも信頼の証。

そう気づいたから、私も預かりっ子だったコマを「正式に家族としてお迎えしよう」と思えたんです。

譲渡のときは、病歴や保護の経緯、費用のことまで本当にていねいに説明してくださって、不信感を抱くヒマもありませんでした(笑)

犬たちの気持ちを一番に考えてくれる「COKA Animal Rescueに出会えてよかった」と、心から思っています。

④倉敷市保健所ボランティア teamKAR|保護犬が脱走…どうしたらいい?

目の前の命を守るを貫く、やさしくて強いボランティアさんたち

ワンコ:レイ
里親さん:Kazuさん
ボランティア:teamKAR

大切なあの子を見失った日、誰も私を責めなかった

ずっと保護犬を迎えたかったKazuさん。念願の子・レイをお迎えして、1ヶ月半が経った頃のことでした。

ほんとうに私の不注意で、レイを脱走させてしまったんです…。

きっと怒られるだろう…。

そう思いながら、teamKARに連絡すると、すぐに今やるべきこと・捜索方法・保護のためのアドバイスを、冷静に伝えてくれたそうです。

「怒るのは今じゃない。まず犬を探そう」その言葉が忘れられない

ボランティアさんも内心は、「あぁ…やっちゃったか…」というお気持ちもあったかもしれません。

でも、実際は…

怒ったり注意するのは今ではない、犬を見つけることが一番大事。

その一言とともに、保護に向けて動いてくれたのです。

怒られても仕方なかった私を、責めることなく、レイの命に向き合ってくれた。

この経験が、Kazuさんの心に深く刻まれているといいます。

柔軟で、まっすぐで、犬のために本気な人たち

保護犬の捕獲はほんとうに大変。だから脱走させないことが大切

脱走から2ヶ月。

捕獲機の設置の仕方、囲い方など、その時々に必要なことを具体的にサポートしてもらい、ようやく保護できました。

「レイを捕まえられる気がしない…」と心が折れそうになったときも、ボランティアさんが次の作戦を提案してくれたから、前に進めたのだそう。

遠方にもかかわらず駆けつけてくださったこともあり、「どこまでも犬ファーストを貫く、強さとやさしさ」を感じました。

Kazuさんからのメッセージ

脱走対策を見直し、看板犬としても活躍中のレイ

倉敷市保健所と連携しながら、どんなときも「今ここにいる命」とまっすぐ向き合っているteamKAR。

収容頭数超過でピンチになったりと、現実は厳しいはずなのに、それを悲壮感として出さず、どこまでも明るく、前向きに活動されています。

「条件が厳しすぎて保護犬を諦め、ペットショップから迎えた」という話も、見聞きします。

でも私自身、ボランティアさんと関わる中で、その厳しさも「命を守るために大切なこと」なのだと気づきました。

野犬を増やさないという強い想いとともに、どんな気持ちにも寄り添ってアドバイスしてくださる。とても信頼できる団体さんです。

⑤2つの団体から迎えて分かった、それぞれの魅力とは?

2匹の保護犬と暮らして気づいた、団体ごとの色

ワンコ:ランラン、バッカス
里親さん:ナミさん
ボランティア:DogRibbon倉敷、teamKAR

DogRibbon倉敷|子犬からの人慣れケア

トライアル初日から、ドシっと落ち着いていて、
ミルクボランティアさんに、大切に育ててもらっていたんだなと感じました。

ランランと出会ったのは、譲渡会。

ブルブル震えていた姿を見て、「この子も可哀想だから、連れて帰りたい」と、DogRibbon倉敷のミルクボランティアさんが保健所から引き出してくれたのが始まりでした。

正式譲渡したころのランラン(3ヶ月くらい)

数時間おきに授乳が必要な子犬を、のびのびと人慣れできるまで育てて送り出す…。

その大変さを思うと、「本当に頭が下がる」とナミさんは話します。

卒業犬たちが再会できる「チャリティーフリマ&プチ同窓会」を開催しているのも、DogRibbon倉敷ならではの魅力。

ナミさん自身もボランティア経験があり、譲渡して終わりではなく、家族としてずっと見守ってくれる関係」を見てきました。

ランランのことはもちろん、里親の私のこともずっと気にかけてくれて。
しょっちゅう相談させてもらってました(笑)

困ったことがあればすぐに相談できて、成長やうれしかったことを一緒に喜んでくれる人がいる。

そんな、あたたかいつながりを感じられる団体です。

teamKAR|強い個性の子に向き合う、預かり番長の存在

約5年お山で暮らしてきたバッカス。人馴れ修行中

ナミさんが2匹目に迎えたのは、元野犬のバッカス。

お散歩は上手だけど、人慣れや生活全般は不安だらけ。
家の中で過ごせるかも分からないし、私には無理かもしれない…。
でも、なんでだろう。
頭から消そうとしても、バッカスのことばかり考えてる自分がいる。

そんなナミさんに、ボランティアさんが提案してくれたのは、「ショートステイやお泊まり体験」という選択肢でした。

バリケンの中で大暴れするわ、大声で吠えるわ……。

正直、ふつうのトライアルだったら心が折れていたかもしれない。

それでも正式に迎える決意ができたのは、「預かり番長」と呼ばれる、teamKARのベテランボランティアさんの存在が大きかったといいます。

バッカスはエネルギーが強いから、ナミさんがしんどくなるかも。
無理せず、いつでも預けてね!

この一言が、ナミさんの心を今も支えてくれています。

ナミさんからのメッセージ

一生撫でられないかもって思ってたけど、1年後には服を着れるように!

「不安」なんて言葉じゃ足りないくらい、パンチのきいた元野犬のバッカス。

暴れるわ、時間関係なく吠えるわ…。

想像以上に大変で、精神的にかなりしんどい時期もありました。

それでも迎えられたのは、「がんばらなきゃ」と肩に力が入りすぎていた私に、「理想の姿」を押しつけず、寄り添ってくれたteamKAR預かり番長のサポートがあったからです。

犬の個性に真正面から向き合い、心が折れそうな里親の気持ちをまるごと受け止めてくれる、本当に頼れる存在です。

子犬でお迎えしたランランは、おてんばだけど、人も犬も大好き。

そんなふうに育ってくれたのは、DogRibbon倉敷のミルクボランティアさんが、たっぷりの愛情をかけてくれた証だと思っています。

何十匹もいた玉島の野犬を、数えられるまでに減らしてこられた、尊敬しかない素晴らしい団体さんです。

保護犬を迎えるのが難しくても、できること

保護犬を迎えるのは、タイミングや環境、家族の理解など、いろんな条件がそろわないと難しいこともあります。

でも、できることは他にもたくさんあります。

  • 団体のSNSをフォローして、活動を広める
  • フードやペットシーツなどの物資を送る
  • 月500円からの継続寄付をはじめてみる
  • 周囲に「こんな団体があるよ」と伝える

どれも、小さなアクションかもしれません。

でもその一歩が、保護っ子たちの命をつなぐ大きな力になります。

団体の詳細情報まとめ

今回ご紹介した団体さんたちの詳細をまとめました。

「ちょっと気になる」「もっと知りたい」と思った団体があれば、ぜひのぞいてみてください。

ピースワンコ・ジャパン

ちびたまのしっぽ愛護会

COKA Animal Rescue

倉敷市保健所ボランティア teamKAR

dogribbon倉敷

ちなみに、支援の形は寄付や物資だけではありません。

「もっと関わってみたい」と思った方は、団体のSNSなどからボランティア情報をチェックしてみてくださいね。

「迎えてよかった」心でつながる出会い|まとめ

不安や迷いを乗り越え、今は「迎えてよかった」と感じている5人の里親さん。

どのエピソードからも、保護団体の誠実さと愛情が伝わってきて、心があたたかくなりました。

私もこれまで2匹の保護犬を迎えていますが、最初は「犬を飼うなら保護犬がいい」という軽い気持ちからでした。

「室内係留?ダブルリード?もっと自由にさせた方が、幸せなんじゃないの?」

そんなふうに思っていた私も、ボランティアさんや里親さんの話を通して、「命を守ることの重さ」を実感しました。

保護犬との暮らしは、ふつうじゃないことも当たり前。

だからこそ、飼い主にも「向き合う覚悟」が必要です。

今回ご紹介した愛護センター、ボランティアさんは、ちゃんとあなたの気持ちに寄り添ってくれるところばかり。

譲渡して終わりじゃなくて、気軽に相談できたり、ずっとつながっていられる家族のような存在です。

「ここなら、安心して保護犬を迎えられそう。」

そう思える場所が見つかればうれしいです。

コメント 承認後、コメントが公開されます。